概要
Weather Monitoring Systemとは
1.センサ制御
2.データロギング
3.Webアプリケーション
を一体化したモニタリングデバイスです。
特徴
1.高性能総合気象観測センサ採用
気象センサでは定評のあるヴァイサラ製ウェザートランスミッターWXT520(※1)を採用し、以下の項目を1台で測定できます。
- 風向
- 風速
- 気温
- 湿度
- 気圧
- 積算降水量
- 降雨強度
2.専用操作ソフトウエア不要(ブラウザ操作)
操作、設定はブラウザ(IE9以降推奨、Chrome,Firefox,Safariでも利用可)で利用できます。(※2)
3.専用アプリ組込済み
WMSはあらかじめアプリケーションが組み込まれています。
センサと接続し、電源を入れてLAN接続されたブラウザからモニタリング(※3)、グラフ表示、リポート(日報、月報)表示、CSV形式ダウンロード、PDF印刷出力、簡易メール警報・通報機能が利用できます。
4.ネットワーク接続
WMSのインターフェイスはLANです。LANケーブルを直接接続し利用するのは当然として、市販ネットワーク機器(HUB、無線LAN、携帯電話ルーターなど)を利用しての接続も容易です。(※4)
5.長期データロギング
データロギング(蓄積)機能を標準で装備しています。通常運用条件で5~10年分蓄積できます。(※5)
6.小形・省電力・広使用温度範囲
ほぼ名刺ケースの大きさ、ファンレスCPU採用による低消費電力(1~3W)、使用温度ー20℃~+60℃。(※6)
7.システム拡張性、親和性
単体運用だけでなく、ソケット通信機能、生データ自動FTP転送機能を装備していますので、n箇所設置、サーバー別置きシステムなど、独自システムのフロントエンド機器としても利用可能です。
8.カスタマイズ対応
基本機能をベースにカスタマイズすることで、フルカスタマイズより安価に対応。
※1:標準仕様はWXT520センサ用です。
ヴァイサラ社(Vaisala社)は本社をフィンランドに置く気象観測機器、産業用計測機器メーカーです。
※2:ブラウザの種類、OSの違いによって、画面の形状や操作が多少異なる部分があります。
※3:リアルタイムモニタリングの更新周期は10秒程度です。
※4:携帯電話ルーターはご契約内容、ルーター固有機能によって機能が制限される場合があります。
※5:蓄積可能期間は設定内容によります。
※6:防水はされておりませんので屋外での設置は防水筐体が必要です。
1.スタンドアローン運用
1台でセンサ+データロギング+Webアクセス、簡易気象ロボットシステムの実現。
想定ユーザー
研究機関、学校、工場、競技場など建物、圃場に設置、イントラネットに接続し、利用する。
メリット
- 安価(一般的な正当なセンサ価格より2/3~1/2、処理部分費用は1/2~1/4)
- 維持費用の低減(構成部品の削減によって交換部品少、通常PCを用いるより必要電力が1/10~1/20以下)
2.ネットワークデータ転送ソリューション
n箇所に設置したWMSのデータを集約して蓄積、モニタリング、配信するソリューション。
想定ユーザー
複数の場所に出先を持つ機関、大規模メッシュ測定、中規模、全国規模設備監視機器の付随設備として競技場、試験コース等の複数箇所での測定要素を一元で処理したい場合。
メリット
- WMS単体に蓄積、集計機能を装備しているので日常管理、不具合発生時に遠隔より端末健全性の検証が容易
- LANインターフェイスが基本なので市販通信機器(無線LAN、携帯電話通信網用ルーター)との併用が容易
仕様
基本仕様
機能一覧(内蔵アプリケーション仕様「標準仕様」)
機能名称 | 内 容 | 備 考 |
---|---|---|
モニタリング機能 | ブラウザ自動更新モニタ画面装備 16方位表示 |
最短更新周期は約10秒 |
ウインドローズ機能 | ウインドローズ集計表示 集計単位: 日風配図(日単位集計) 月風配図(月単位集計) 年風配図(年単位集計) |
静穏設定 風力階級別頻度表示付 |
グラフ機能 | 折れ線、棒グラフ表示 集計単位: トレンド(直近3時間) 日グラフ(日単位集計) 月グラフ(月単位集計) 年グラフ(年単位集計) |
6種類の折れ線グラフ 2種類の棒グラフ表示可能 |
リポート機能 | 帳票形式集計 集計単位: 日報(時間単位集計) 月報(日単位集計) 年報(月単位集計) 処理表(日、月、年) |
1〜24時間集計方式採用表示 CSV形式テキストファイルダウンロード 印刷用PDF生成機能 |
警報・メール通報機能 | 5種類の基本通報機能装備 ①大雨注意報 ②大雨警報 ③強風注意報 ④暴雨風警報 ⑤低温注意報 |
通報先は5ヵ所まで発報値条件 解除条件を変更可能 |
外部制御機能 | 外部ソケット通信機能 FTPデータ送信機能 |
外部参照リアルタイムモニタ 収集データの定期自動送信 端末の遠隔管理、確認用 |
管理機能 | ネットワーク設定 CSV形式生データFTP転送設定 警報メール送信SMTP設定 外部NTP参照機能設定 |
設置高さ、標高設定による海面更生気圧の算出 |
機器部仕様
項 目 | 仕 様 |
---|---|
名称 | WMS |
型式 | UC1175(本体) UC1173(変換コネクタ) |
使用センサ | WXT520 ウェザートランスミッター(Vaisala社製) |
外部IF | LAN ×1点 USB ×2点 |
データ処理 | モニタリング画面自動更新周期:約10秒 データ蓄積周期:1分固定(サンプリング周期はセンサ設定による) 蓄積期間:5〜10年(内部フラッシュメモリに保存、寿命は設定内容による) |
カレンダー | カレンダー時計内蔵(バッテリーバックアップ)、NTPによる同期機能装備 |
寸法 | 本体:58W×82H×24.3D(mm) 変換コネクタ含む寸法:58W×149H×24.3D(mm) |
使用温度 | -20℃〜+60℃ (但し結露なきこと) |
電源 | WMS本体 DC5V±10%以内 (添付ACアダプタ性能による) WXT520本体供給用 DC24V ±10%以内 (添付ACアダプタ性能による) |
状況 | 新規販売非推奨、サポート継続中 |
閲覧、操作部仕様
項 目 | 内 容 | 備 考 |
---|---|---|
対象ブラウザ仕様 | 推奨ブラウザ: InternetExplorer9(IE9)以降GoogleChrome14以降 |
OS、ブラウザ等操作環境によっては多少、表示、操作が異なる場合があります。 一部機能条件付で動作可能ブラウザ: InternetExplorer8(IE8) Firefox4以降 Safari5以降 Opera11以降 |
WXT520センサ測定要素仕様
測定項目 | 測定範囲 | 測定要素 | 測定方式 |
---|---|---|---|
風向 | 16方位 (内部では0〜359度測定) |
平均風向、最多風向 | 超音波式 (WINDCAP) |
風速 | 0〜60.0m/s | 最大、平均、最小風速 | |
気温 | ー52.0〜+60.0℃ | 最高、平均、最低気温 | 静電容量式セラミック(THERMOCAP) |
相対湿度 | 0.0〜100.0%RH | 最高、平均湿度 | 静電容量式薄膜ポリマー(HUMICAP) |
気圧 | 600.0〜1100.0hPa | 最高、平均、最低気圧 | 静電容量式シリコン (BAROCAP) |
降水量 | 0.1mm分解能 | 積算降水量 降雨強度 |
ピエゾ電圧式 (RAINCAP) |
※測定要素仕様、精度はVaisala社仕様に従う。
同梱物
製品を購入した際の同梱物は下記のとおりです。
- WMS本体 ×1台
- WMS用ACアダプタ ×1台
- WXT520接続用変換コネクタ ×1台
- WXT520供給用ACアダプタ ×1台
- はじめにお読みくださいリーフレット ×1枚
- つなぎ方ガイド(初めて使ってみる場合)リーフレット ×1枚
- 電源の投入、切断方法と各部の説明リーフレット ×1枚
WMSにはセンサは含まれておりません。別途ご購入ください。詳しくは「よくある質問」をご覧ください。 |
ご購入前・選定方法
Q.本機はどのように購入したら良いですか?
三興通商株式会社にお問い合わせください。
Q.WXT520の購入はどうしたら良いですか?
以下にお問い合わせください。
センサの選定
Q.WXT520センサのオプションは何を選択すべきですか?
WXT520は様々なオプションを選択できます。
WMSで利用する場合、RS-232C仕様、8ピンM12コネクタ、10mケーブル、ヒーター、設定ソフトウエア付が必要です。
また、必須ではありませんが鳥除け・取付キットのセットもお奨めします。
準備・設置
Q.電源は何が必要ですか?
標準梱包物にはWMSとWXT520をすみやかに利用できるようにACアダプタが2種類同梱されています。
WMSはDC5V(±10%以内)500mA以上の電源が必要です(同梱のACアダプタは5V/2A)。
WXT520はDC5〜32Vで動作します。同梱のACアダプタはDC24V/1Aが同梱されており、ヒーター付オプションのセンサにも耐える容量になっています。
Q.センサとWMS間の延長はどの程度できますか?
センサ標準添付のケーブルは10mです。そのまま伸ばす場合は最大20m以内としてください。
それ以上延ばす場合は追加でRS232C-485(422)変換機をご購入いただき、4線式通信方式にすることでで数百m~1km程度延長可能です。
Q.雷対策はどのようにしたら良いですか?
WXT520用の避雷装置はWSP150が用意されています。
仕様としてはRS-232C通信の保護用、DC24V電源保護用のアレスタをご用意いただければよいです。
通信・ネットワークについて
Q.同時に何人ブラウザで利用できますか?
本機を同時に利用できるのはネットワークの性能にもよりますが、10接続程度としてお考えください。
Q.InternetExplorer7(IE7)で動作しないのですが
誠に申し訳ありませんが、本機の対象ブラウザはInternetExplorer8(IE8)以降となっております。
IE7ではグラフ表示等いくつかの機能が動作しません。
別なブラウザ(GoogleChrome、FireFox等)をインストールされてご利用されることをお奨めいたします。
Q.外部よりアクセスしてデータを取得するアプリ(システム)を作成したいのですが仕様は公開していますか?
はい、基本的な現在の値を取得する方法やFTPによる自動生データ転送機能を公開しております。
閲覧・操作
Q.説明書はどこにありますか?
WMS本体に内蔵されています。
WMSにログインし右上の「ヘルプ」タブをクリックすると、PDF形式の説明書が開きますのでご利用ください。
Q.モニタ画面の風向矢印の背景を変えたいのですが可能ですか?
はい、可能です。指定サイズの画像データを読み込むことで変更できます。
運用・メンテナンス
Q.バージョンアップ、バグ修正はどう対処してもらえますか?
ユーザー登録された方個別に修正用プログラムの配信、ダウンロード先にご連絡をさせていただきます。
通常の簡易な機能向上、バグ修正はネットワーク経由でアップデート可能なソフトウエアをご提供させていただきます。
Q.機器の寿命はどの程度ですか?
5〜10年ほどを想定しています。
機器の寿命は環境にも影響を受けますが、WMSで一番の寿命は内蔵のフラッシュメモリの書換え回数に起因する寿命です。基本の設定では10年程度の寿命が見込まれるような設計を行っていますが、アクセス回数データベースへの書込み頻度設定などで寿命が短くなります。
定期的なオーバーホールへの対応にもご相談させていただきますので、ご購入元にお問い合わせください。
保証について
製品保証規定
この製品保証書は、恵比寿システム株式会社(以下弊社と略す)が以下に定める製品保証規定に基づき、製品の無償修理を行うことをお約束するものです。
保証内容
本製品の保証は、製品保証書の保証期間に取扱説明書およびそれに準じる説明書類に従って正常な使用をしていたにも関わらず、製品のご購入から1年以内に明らかに製造上の欠陥により故障が発生した場合に無償修理を約束するものです。なお、製造上の欠陥の判断は弊社裁量によるものとさせていただきます。
保証対象
保証の対象となるのは製品本体部分のみで、消耗品は保証の対象となりません。
保証適用外
保証期間内であっても以下の項目に該当する場合は保証いたしません。
- 製品取扱説明書の内容に反した使い方によって生じた故障、損傷
- 使用上の誤り、または不当な修理や改造によって生じた故障、損傷
- ハードウェア自身の消耗に起因するもの(製品の性質上、フラッシュメモリの書き込み回数や、コンデンサおよび充電池の充放電特性などの寿命があります)
- 商品送付後の輸送、移動、落下等によって生じた故障、損傷
- 火災、地震、水害、落雷、その他の天災、公害、異常電圧、または不測の事故によるもの
- 指定外の電源、ケーブル、その他を接続したことによるもの
- 接続された他の機器が原因で生じた故障、損傷
- 車両、船舶等に搭載されたことによって生じた故障、損傷
- 譲渡などにより入手したもの
- 本製品が他社の提供するソフトウエア上で動作するという保証、及び使用によるその他の損害についての保証は行いません。
- OSおよびアプリケーション・ソフトウエアのバージョンアップ(障害対応ソフトウエアを除く)については、当保証に含まれないものとします。
保証有効範囲
製品保証書は、日本国内のみで有効です。
免責事項
弊社製品の故障、または運用した結果による直接および間接の損害について当社は、その責を一切負わないものとします。
本保証規定は事前の予告なく改正、変更される場合がありますので、ご了承ください。
This warranty is valid only in Japan.
WMS カタログダウンロード
WMS リーフレット | (PDF形式:1.1MB) |
WMS気象観測Webサーバーのご紹介 | (PDF形式:1.2MB) |
参考資料
WMS_技術資料(WMS風向モニタ背景に地図表示が出ない現象について)_REV1.00 | (PDF形式:495KB) |
WMS_技術資料(WMSにてWXT536を利用する場合の注意について)_REV1.00 | (PDF形式:404KB) |